Dr.クインチ

漫画「Dr.クインチ2巻 case11」ネタバレ・あらすじと感想

大手外食産業”コムショー”の二代目「呉門尚人」からの依頼で、交通事故で意識不明になっている会長の”顔”を元通りにするための手術を行うことになった「権藤弓一朗」

形成、口腔、美容外科がそれぞれ連携して行うという、とても大がかりな手術です。

しかし、弓一朗は手術を始めてすぐに会長が”別人”だと気づきます!

はたして、この患者はいったいどこの誰なのか?その真相は・・・?

 

 

「Dr.クインチ2巻 case11」のネタバレ・あらすじ

 

コムショーの「呉門尚人」は自らの確認ミスにもかかわらず、弓一朗ら特別チームが会長ではなく”別人”の手術をしていたことを厳しく糾弾します!

会長を乗せていた車の運転手は不運にも事故死・・奇遇にも血液型が同じだったこの患者を会長と間違えたのではないかと推理する弓一朗・・・

それに対して「医者ならすぐに気付け!お前らの責任だ!」・・・と、責任転嫁を始めた呉門に向かって弓一郎は、「じゃあ事故を公表して、俺たちを告訴しな!」・・・と凄味ます!

すると、世間に知られては困る呉門は言葉を失います・・・

そこへ、東青梅警察署の交通課に所属する「望月」と名乗る女性が姿を現しました。

望月が現れるなり「会長はどこだ!」・・・と、怒鳴りつける呉門!

その様子を見ていた弓一朗は、「接客の前に”命を学んだらどうだ!」・・・と、呉門を”バカ息子”呼ばわりしながら諭すのでした。

この意見に、母親である「呉門尚子」も同意して、息子に会社は任せられないから常務の林を抜擢すると言いだします。

しかし弓一朗はそんなお家騒動よりも、「患者がどこの誰か突き止めることが最優先だ!」・・・と、2人に言い放ちました。

 

 

そして3ヶ月後、昏睡状態に陥っていた患者はようやく意識を取り戻しますが、困ったことに、すべての記憶をなくし記憶喪失の状態に・・・

ただ単に”事故前後”の記憶がないだけではなく、自分がどこの誰なのかすら思い出せないのです。

交通課の望月は、事故前後に都内だけでも200件以上も捜索願が出ていることを弓一朗たちに報告し、もし都内の人間でなかった場合、捜索願の数は全国で約8万件にものぼると続けました。

その報告を聞いた弓一朗たちは、この患者と直接話すことにします。

しかし、どんな家に住んでいたのかなどを弓一朗は聞いていきますが、患者の答えはあいまいではっきりしない・・・

頼みの綱の持ち物は財布も携帯も盗まれたようで、残っていたのは「犬の顔のキーホルダーが付いた」だけでした。

「財布も携帯も持っていないのにどうやって身元を調べれば?」・・・と、院長の藤美恵里子は困惑します。

「家の鍵はあっても、その家の記憶がない」・・・と、自分の身にふりかかった皮肉な運命をこの患者は嘆きました。

その言葉を聞いて弓一朗は、何か手がかりをつかもうと家族構成について問いかけます。

「一人息子がいたかもしれない?」・・・とつぶやいた患者に恵里子が年齢を尋ねると、「小さな男の子だった」・・・という返事・・・

「男の子だった・・・と、過去形になっていることが気になり、弓一朗はその理由を聞きますが、その理由は患者本人にも分かりません!

「サッカーが大好きで、自分が帰宅したら走り寄ってくるから頭を撫でてあげた」・・・と、患者は懸命に記憶をたどります。

そして、どこかで家族が待っていてとても心配をかけているはずだと、言い知れぬ不安を口にして、「私が誰なのか教えて下さい」・・・と、涙ながらに弓一朗たちに訴えかけました。

これを聞いて弓一郎は、「その渇き・・引き受けた!」・・・と、この患者の願いを叶えるべく行動を起こすのでした!

九死に一生を得た記憶喪失のこの患者は、いったいどこの誰なのか?

そして、願いを「引き受けた!」弓一朗に何か手立てはあるのか・・・?

 

「Dr.クインチ2巻 case11」のみどころと感想

いつもは弓一朗の「その渇き・・引き受けた!」・・・と言った後の、鮮やかな施術シーンを経て物語が結末に向かうのですが、前編の「case10」と、今回の後編「case11」はだいぶ毛色の違った展開でしたね。

まさかこの作品で、記憶喪失の患者さんの身元をたどる展開になるとは思いませんでした。

そして後半では、身元が明らかになってちょっと泣けてしまうようなドラマもあり、思わずしんみりさせられましたね。

まぁ、とにかく、記憶を取り戻して家族のもとに帰ることが出来て、本当に良かったと思います!

そして普段はサバサバしている印象の弓一朗ですが、実は人情に厚い一面が描かれていて、とても好感が持てました!