女性の美容整形はもちろん、男性の包茎手術までこなすのが、”Dr.クインチ”こと「権藤弓一朗」です!
弓一朗から完璧な施術を受けた患者は”新しい自分”に生まれ変わり、それまでとは違った人生を歩み出します。
そして今日も「権藤弓一朗」を頼りにする人々が、藤美容クリニックを訪れるのでした。
Dr.クインチ、美容室で読んで面白くて続き気になってたんだよなhttps://t.co/mLiY28n0VL
— ゆずこDX (@pink_1228_) January 1, 2021
「Dr.クインチ2巻 case9」のネタバレ・あらすじ
まだ幼い頃、「ムエパ」はアパートの一室でグッタリ衰弱しているところを、通報で駆けつけた職員に助けられました。
首輪をつけられ泣きわめき、部屋からは強烈な悪臭が漂っていたことから、隣室の住人が通報したのです。
ムエパが知っていたことは、母親は「ブランカ共和国」という、貧しい小国の生まれであることと、22歳の時に日本に不法入国したらしい・・・ということ!
そして、「ブランカ人」ということを隠し「フィリピン人」だと偽って”フィリピンパブ”で働いていた・・・ということぐらいでした。
やはり、不法入国者の女性が日本で生き残っていくためには、体を売らないわけにはいかない・・・
フィリピンパブでは、金のために誰とでもヤル「枕要員」として働きますが、ゴムなしで”中出し”する客も多く、その結果として「ムエパ」は生を受けました。
しかしこの母親は、ムエパが生まれたことをまったく喜んでいない・・・
産んだ直後の言葉が、「やっぱり堕しておけばよかった」・・・という後悔の一言!
そして、不法入国者の母親が出生届など出すはずもありませんでした。
出生届が出されていないムエパは戸籍がないので、”この世に存在していない”・・・ということになりました。
そんな存在していない「ムエパ」を、母親はあっさりと見捨て消えてしまいます!
首輪をされ一人残されたムエパは、こういう状況でやっと助け出され、そのまま施設に預けられました。
しかし施設では、ムエパが一目で「日本人ではない」・・・と分かるため、ひどいイジメにあう日々が続きます。
そんなある日、施設の職員から「入国管理局の人が来るから着いていきなさい」・・・と言われたムエパは、ブランカ共和国に強制送還されることを察知して施設から逃げ出しました!
ムエパにとって「ブランカ共和国」は未知の国!
「言葉も分からない、行ったこともない”母国”になんか行きたくない!」
・・・という強い不安感が、ムエパに脱走を決意させたのでした。
Drクインチという美容整形の漫画に出てくるこの一言が、今の私にはとても深い。まぁ私の悩みは整形ではなく人間の感情なのだが、まさかこちらの漫画で考え方のパターンが増えるとは…世の中なにがあるかわからんな pic.twitter.com/4akUZc0CpQ
— NA (@mcfc0spn) November 18, 2020
そして、宛てもなく逃げ出し街を彷徨っていると、”母親の友人”だという「サリー」という女に拾われます。
幸か不幸か・・・分からないものの、何とか生きながらえたムエパは、テレビ番組のテロップや新聞などの文字情報をもとに日本語を学びました。
漢字やカタカナの入り混じった日本語を読んで意味を理解するのが、ムエパはとても好きで、知らないことを知る愉しみを幼い頃から感じていました。
ムエパは「囁く」という漢字を見つけ、一緒に暮らしている女性たちに聞きますが、誰も答えることが出来ません・・・
「分からないことは”ガッコ(学校)”で教えてくれる」・・・と聞いたムエパですが、戸籍がないので学校に通えるはずもありません!
しかし、そんなムエパが最初に体を売った相手は、皮肉なことに学校の”校長先生”でした!
ただ、このことが”元締め”にバレてしまい、ムエパを勝手に使って稼ごうとした「サリー」は、臓器を抜き取られ消えてしまう・・・
拾って育ててくれたサリーはいなくなっても、その後もムエパは自分の体を売ってお金をたくさん稼ぎました。
やがて成長し、独りでも生きていけるようになったムエパは、立派になった姿を見せつけるために母親を探します。
そして、どうにか探し出した母親から、「おまえ産むんじゃなかった!カエレ、カエレ!」・・・という、ひどい罵声を浴びせかけられます・・・
この母親の言葉でついに、ムエパは「日本人になること」を決意!
裏取引で戸籍を買ったムエパは、21歳の「高橋まゆみ」になりすまして生きていくことになりました。
まだ16歳のムエパですが、なりすました「まゆみ」が21歳なので、消費者金融からお金を借りまくります。
そして、日本人になることを夢見て「藤美容クリニック」を訪れたのでした・・・
「その渇き・・引き受けた!」
話を聞き、「日本人のような顔にしてほしい」・・・という、ムエパの心の叫びを受け取った弓一郎!
「隆鼻術でシリコンプロテーゼを入れ、鼻中隔延長でEラインを造る」
「鼻翼縮小術とエラ骨形成で”日本人”の顔の形になるだろう」
・・・と、施術内容を説明し、いつも通り完璧に仕上げるのでした!
はたして、生まれ変わった”まゆみ”こと「ムエパ」には、どのような運命が待ち受けているのか・・・?
「Dr.クインチ2巻 case9」のみどころと感想
この「Dr.クインチ」は、基本的にテーマがダーク寄りですが、今回のエピソードは特にそう感じましたね。
ムエパは不法入国者の子どもですから、そう簡単には真っ当な人生を送れるわけがありません。
でも、ムエパに罪はないんですよね~・・・本当に可哀そうになって胸が苦しくなりました。
施設ではいじめられ、やっと会えた母親にも激しく拒絶されてしまう・・・日本人になることを切望する気持ちもわかります。
そして今回は、弓一朗の出番がかなり後になって、ようやく登場しますが、こういう展開も新鮮でおもしろいですね!
いろいろなパターンの展開があって毎回楽しみです!