来客のため、対異特務小隊の応接室へと向かう清霞・・・
部屋で待っていたのは、帝国陸軍参謀本部の「大海渡 征」であった。
征は、軍人を多く輩出する「大海渡家」の跡継として将来を期待されている人物である。
待ち合わせより早く小隊を訪れた大海渡のもとへ、清霞は仕事を中断してやって来たのでした。
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「わたしの幸せな結婚」 3巻 第20話のネタバレあらすじ
「遅くなりました。大海渡少将閣下!」
「仕事を中断させて悪かったな、清霞」・・・と、予定より早く来すぎたことを謝罪する大海渡に清霞は、「いえ、何かありましたか?」・・・と尋ねます。
すると大海渡は、「宮城に行く前に話しておきたいことがある」・・・と断ったうえで、ある重大な事件が起こったことを告げます。
大海渡:「墓荒らしが出た・・」
清霞:「それは警察の仕事だと思いますが・・」
それに対して大海渡が神妙な面持ちで、「そこらの墓ではないのだ・・」と答えると、清霞は驚き「まさか!」・・・と呟きます。
そして、「禁域に侵入されたらしい」・・・という大海渡の返答を聞いた清霞は、直観的に最悪の事態を感じ取り確信を持って「まさか!」・・・と叫ぶのでした。
「ああ、”オクツキ”が暴かれたようだ」
大海渡の返事は、清霞が想定した最悪の事態そのものでした!
本来、墓荒らしの対応は警察がするものですが、今回荒らされたのは一般の立ち入りが禁止された宮内省管轄の特別な場所・・・
そこには歴代の帝やその一族の墓、そして異能者に関する機密が封印されているのでした。
そして今回荒らされた「オクツキ」は、異能者たちが眠る墓・・・
生前、異能を持っていた者はもともと霊力が高く、死んでも一般的な供養では成仏できないことが多い!
それらの霊を封印しておくのが「オクツキ」という場所でした。
この封印が破られ解き放たれてしまった異能者の霊は、死んで理性を失い本能のままに、欲望のままに振る舞い、どんな被害が出るか分からない・・・
大体の霊は宮内省所属の術者によって抑えてはいるものの、正確な情報は分からない・・・という大海渡の説明に清霞は、「こちらでも警戒しておきます」・・・と答え、二人で宮城へと出発するのでした。
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宮城に到着した二人を出迎えた執事から、「お連れさまがお待ちです」・・・と言われた大海渡は、「ほう、辰石の新当主は案外真面目だな」・・・と感心するものの、清霞は「これ以上信用を失うわけにはいかないので当然でしょう」・・・と切り捨てます。
辰石家は、美世を監禁して斉森屋敷を全焼させる・・・という事件を起こした前当主に代わり、長男の「一志」が新たな当主の座についていました。
この「一志」は以前から”くせ者”として有名でしたが、今回父親が起こした事件への対応や当主を引き継ぐための手続きなど難なくこなし、清霞も意外に感じるほどです。
しかし、待っていた一志を見た清霞は思わず頭を抱えます!
そこには原色に彩られた派手すぎる着物を着た一志の姿が・・・
「辰石、その格好で御前に出る気か?」・・・とキレかかる清霞に対し一志は、「これがぼくの正装なんだよ」・・・とまったく気にする素振りを見せません!
結局そのまま大広間の襖の前で正座し、大海渡が奥の方へ声を掛けます。
「失礼いたします。大海渡、久堂、辰石参りました!」
すると部屋の奥から、「入るがよい」・・・という声がかかり、襖を開けて中へと入る三人・・・
「ご無沙汰しております、堯人さま・・」
上座の一段高い場所に座る、ちょっと浮世離れしたこの人物に”姓”はない!
ただ「堯人」という”名”だけがあるこの人物は、帝の子の一人であり、次代の帝位を継ぐ最有力候補であった。
「よく来たの、面を上げよ、まあ楽にせい」
「はっ、失礼いたします」
堯人の許しを受け面を上げた大海渡と清霞は、まずは辰石を紹介し挨拶をさせました。
そして辰石の起こした事件について、いくつかやり取りをした後、今日宮城を訪れた本題に入るのでした。
「して堯人さま、天啓がおありだったとうかがいましたが・・・」
帝の直系の子孫にのみ受け継がれる異能である「天啓」・・・という”未来予知”能力・・・
「うむ、”オクツキ”が破られたことは知っておろう?」
「気をつけよ、これは戦いになる!」
これを聞いて一同は息をのみ、死力を尽くしての戦いになることを覚悟するのでした。
「わたしの幸せな結婚」 3巻 第20話を読んだ感想
今回のお話を現代風に言えば、”皇太子殿下に謁見するため東宮御所を訪れた”・・・ってことでしょうか?
帝の子である「堯人さま」には”姓”はなく”名”があるだけ・・・っていう漫画の設定だけど、これは現実の日本の皇室の話でもあるので、改めて考えてみると不思議な感覚に陥ります。
そして、直系の子孫にのみ受け継がれるという「天啓」という異能・・・
”未来予知”らしいけど、現実の世界の歴代天皇にもこのような特殊能力があった・・とか、なかった・・とか、いろいろ想像してみるのも意外とおもしろいです!
・・・もしかして、不敬にあたるかな?