Dr.クインチ

漫画「Dr.クインチ3巻 case14」ネタバレ・あらすじと感想

美容外科医の権藤弓一朗にとっては、男性の植毛や顔の皺の改善も守備範囲!

「見た目を変えたい」・・・という願いは、美容への興味が強い女性だけではありません!

さまざまな事情から、男性も美容医療を受けることがありますが、今回弓一朗のもとを訪れるのは、男性なのか?・・・それとも女性なのか?

 

 

「Dr.クインチ3巻 case14」のネタバレ・あらすじ

 

もうすぐ誕生日を迎える「関 香織」は、手首をカッターで切る”リストカット”に快感を覚えてしまった24歳の女性です。

初めてのリストカットは、香織がまだ中学生の時でした。

その時は模試の結果がサッパリで、衝動的に手首にカッターの刃を当てたのです。

すると、傷口からにじみ出る赤い血がしたたり落ちる感覚が、いつの間にかやみつきになってしまいました!

そんな香織は、スーパーマーケットでバイトをしていました。

接客が苦手な香織は、客の少ない夜番しかシフトを入れていません。

3年前に上京して以来、どうにかこのバイトで生計を立てていました。

リストカットの傷痕を気付かれないように隠すため、香織は常にリストバンドをしています。

その不自然なリストバンドを見たバイト仲間の男性たちは、香織のいない喫煙所で陰口を叩いてますが、それは自然と香織の耳にも入るのでした!

そんな日々が続き、香織は生死の感覚があいまいになっていくのを自覚します。

惰性で生きていることに虚しさを覚えた香織は、いけないと分かっていながらついついリストカットをしてしまうのでした。

ある日香織は上司に頼み込まれ、1日だけ昼番で働くことになりました。

昼番だとお客が次々と入店してきますが、香織は「いらっしゃいませ」・・・と、元気よく挨拶することができません・・・

そんな香織のことは昼番で働くバイト仲間の男性たちの間でも話題になり、夜番の時と同じように陰口を叩かれてしまうのでした。

それに気付いた香織は、ふと学生時代を思い出します。

「リストカット=メンヘラ女」と決めつけられ、コソコソと陰口を叩かれた学生時代・・・

噂されていることにイラついた日は余計にリストカットへの衝動が強まり、香織は何度も手首を切りました。

「東京に来たら何かが変わるかも」・・・と思い上京した香織ですが、期待に反して心が満たされることはまったくありません!

 

 

そして別の日、上司からまた昼番をお願いされた香織ですが、昼番はどうしてもやりたくなかったので、衝動的にバイトを辞めてしまいました。

しかし、リストカットを繰り返す限り「仕事も続かなければ彼氏もできない」・・・と、香織はようやく気付いたのです!

そこで、「リストカットの傷痕を消せないかどうか」・・・と、藤美容クリニックを訪れます。

「消すことは不可能だが目立たないようにすることはできる」・・・と、院長の藤美恵里子は説明しました。

手首に何本も残る横向きの傷痕の皮膚を切り取って改めて縫合することで、縦に真っ直ぐな1つの線にするのです。

問診表を見て、来週誕生日を迎えると知った権藤弓一朗は、さっそく「今日手術しよう」・・・と提案します!

当日の手術を提案したのは、傷痕があると人付き合いもままならないであろうことを察した、弓一朗の優しさでした。

提案に同意した香織は、さっそくこれから手術してもらうよう弓一朗にお願いします。

「その渇き、引き受けた!」

もともと弓一朗が提案したことですから、香織の依頼を断るわけがありません。

香織は新しい自分に生まれ変わるための手術を受けることになりました。

はたして、切った時に流れ出る血を見ることに快感を覚えてしまった香織は、傷痕を目立たなくして新しい道を見つけることができるのでしょうか・・・?

 

「Dr.クインチ3巻 case14」を読んだ感想

前話とは打って変わって、香織のリストカットと向き合うシリアスなエピソードでした。

いつもは患者と対面するなり茶化すことがほとんどの弓一朗ですが、今回はそうしませんでしたね。

「香織を何とかしたい」・・・と、弓一朗なりに心から思ったのではないでしょうか。

自分の居場所がなかなかみつけられなくて苦しむのは、誰でもあることだと思います。

ただリストカットは非常に危険な行為ですから、もちろんやってはいけないことです!

そして物語は、弓一朗が香織に生きる道を示せたハッピーエンドだったので、ホッと一安心できてよかったです!