「七つ屋志のぶの宝石匣」は二ノ宮知子先生による、宝石と質屋さんの物語です。
主人公の「志のぶ」は高校2年生、実家である東京下町の質屋「倉田屋」で宝石の鑑定をしています!
志のぶには生まれつきの特殊な才能があり、ルーペや顕微鏡で鑑定しても分からない、石の「気」を感じることができるのです!
そして志のぶには、祖父が勝手に決めた「北上顕定」という婚約者がいるのですが、この顕定、実は幼い頃に倉田屋に預けられた”質流れ品”でした・・・
『七つ屋 志のぶの宝石匣』が最近の推し漫画で影響で質屋の隣散歩してたらポスターみつけて本気で嬉しかった pic.twitter.com/rmxK3qjWNL
— 青色ちひろ (@aoirochihiro) November 22, 2020
七つ屋志のぶの宝石匣 1巻 story2 のネタバレあらすじ

志のぶの婚約者「北上顕定」は質流れ品?
志のぶは、「質屋」の出てくる時代小説が大好きです!
江戸時代の質屋は、「しち」=「なな」という読み方から、隠語で「七つ屋」と呼ばれていました。
そして、志のぶの実家「倉田屋」は、七つ屋と呼ばれた江戸時代から続く老舗の質屋です。
質屋の仕事は主に2つ・・・
お客様の品物を担保として預かりお金を貸す「質預かり」と、お客様の品物を相場に基づいて査定し、現金で支払う「買い取り」があります。
■品物を担保として預かりお金を貸す「質預かり」
■品物を相場に基づいて査定、現金で支払う「買い取り」
母親が離婚したことで1年前に、母の実家である「倉田屋」に戻ってきたのでした。
志のぶは現在高校2年生の夏休み中・・・毎日、部活と店番をこなす生活です。
彼氏はいないけど、祖父が勝手に決めた婚約者がいて、同級生からは「あんないい男なら最高じゃない、土下座してでも結婚してもらうべき」
・・・などと羨ましがられていますが、実は婚約者が”質流れ品”だとは言い出せません・・
その婚約者の「顕定」は、高級ジュエリー店「デュガリ-」で外商の仕事をしています。
お店に出れば、女性は秒殺で宝石を買ってしまうほどのなかなかのやり手!
そんなある日顕定は、「虎徹」という人物から荷物を受け取ります。
どうやら全て、顕微鏡での確認が必要な物が入っているようですが、そんな物を送ってくる「虎徹」とは一体何者なのか・・・?
顕定は荷物の中身を調べるための鑑別道具を借りるため倉田屋に行きますが、ちょうどその時、志のぶの伯父が来ていました。
志のぶの母の兄である伯父は、今では独立して自分の質店を経営しています。
実は志のぶの母親はちょっと困った人で、店で買い取った商品を自分の物として使っているので、帳簿の数字が全然合っていません!
これを見た叔父は、「この店潰して土地売ったほうがマシだ!」・・・と、大激怒!
志のぶは倉田屋が大好きなので、なんとかして残したい・・・という思いが強いものの・・・
そんな場面にやって来た顕定が、週末に倉田屋を手伝って、志のぶと母親を指導するということで、叔父を納得させるのでした。
顕定は、高級ジュエリー店に就職していても、やはり倉田屋が心配なのです。
宝石鑑定で発揮される志のぶの天賦の才能

志のぶが座るカウンターに、アウイナイトという希少で高価な石だけど、普通の質屋では扱わない石を持ったチャライ男が来店し、お金を貸してほしいと言いました。
志のぶは「預かり」として30万円を貸し付けますが、顕定から「ありえね~!ふざけたことやってんじゃねーよ~!!」・・・と、こっ酷く叱られます!
でも志のぶは、「あの石はいい子だから大丈夫」・・・と言って、まったく心配していません!
そんな忙しい一日が終わろうとしていた頃、一人買い取りを依頼する女性がやってきました。
女性が差し出した品物は「サファイア」・・・かなり良いものと判断した顕定は買い取ろうとしますが、その時志のぶはこの女性に対し、「なんでこんなもの、うちに持ってきたんですか~?」・・・と、取引を大反対!
この石は危険だと感じているのです!
そこに伯父がやってきて鑑定し、伯父も良い物と判断・・・顕定と相談し63万円で買い取ることを決めました!
志のぶは危険を感じ、顕定の胸ポケットに入っている、ある「石」を出してみると黒いオーラに包まれている・・・
志のぶには、顕定が冷静ではないことが感じられました。
それからしばらくたった頃、警察から窃盗事件の盗難品に関する情報がFAXで届きます。
そこに書かれていたのはなんと、先ほど買い取った「サファイア」でした!
女性客は夫婦窃盗犯で、旦那が盗んだ物を売り歩いていたのでした。
志のぶの感じた悪い「気」というのは、この犯人のものだったのです。
そして後日、志のぶが「預かり」をした「アウイナイト」のチャラ男が戻ってきます。
出産費用の為に、奥さんの指輪を黙って預けたようですが、出産一時金の制度を知って貸していた30万円は無事に戻ってきました。
「結局、全部志のぶの言う通りか・・・」と言いながらも、顕定は非科学的な怪奇現象など納得できない様子・・・
志のぶは顕定に、胸ポケットに入っていた「石」を返します。
その石は、おじいちゃんの形見のレッドベリルでした。
志のぶは石を手にした顕定が、冷静を取り戻し元に戻ったと感じました。
顕定が冷静さを失っていたのは、倉田屋がなくなったら自分と家族との唯一の接点が消えてしまうから・・・志のぶにはそう感じられたのでした。
七つ屋志のぶの宝石匣 1巻 story2のみどころと感想
志のぶの天賦の才能が大活躍でしたね。
伯父さんも志のぶに「この店潰したら呪われるよ、わたしのこともう信じてくれるよね?」と言われ、「・・・うん」と言うしかありませんでした。
高校2年生にして、この達観した感じは末恐ろしいですね・・・
志のぶは顕定のことを、祖父が勝手に決めた婚約者で「倉田屋の質流れ品」と言いつつも、大切に思っていることが分かります。
産まれた時から婚約者として育ってきているので、なんだかんだ言いつつ、心配のようですね。
そして「虎徹」から届いた荷物の中身は何だったのでしょうか。
そもそも「虎徹」とは何者なのでしょうか。
顕定が調べている事に、志のぶの不思議な才能がどう絡んでいくのか、謎は深まるばかりです。