Dr.クインチ

漫画「Dr.クインチ3巻 case16」ネタバレ・あらすじと感想

顔のパーツ、体型、薄毛、傷痕など・・・人は見た目を気にして深く悩む生き物!

そんな外見に関する多くの人の悩みを解決に導くのが、”Dr.クインチ”こと「権藤弓一朗」です。

彼の手にかかれば、患者は望んだ通りの外見を手に入れることが出来るでしょう。

さて今回は、いったい誰が彼に助けを求めるのでしょうか!

 

 

「Dr.クインチ3巻 case16」のネタバレ・あらすじ

 

「井川貴子」は、夫の「卓哉」との間に子供を授かりました。

夫婦にとっては待ちに待った待望の子供です!

貴子は自分に子供ができたことを両親に喜んでもらいたかったけど、残念ながら母親はもうこの世にはいません。

父親は健在ですが、母親は”乳がん”で若くして他界していたのです。

まだ幼かった貴子は母親が大好きでしたが、そんな”母のようにはなりたくない”・・・と、心に強く思っていました。

母親は元気でスタイルのいい女性でしたが、乳がんに侵されて亡くなった母親の胸に膨らみはありません・・・

葬儀に参列する多くの近しい人が母親を憐れみましたが、悲しみに暮れる声の中から聞こえてきた、「あんなにグラマーだったのにねぇ・・」「胸がペチャンコになってぇ・・」・・・などという声が、幼かった貴子の耳にはハッキリと残っているのでした。

その時貴子は、葬儀で多くの参列者に憐れまれる母親をとても不憫に思い、そんな母親と同じ道だけは絶対にたどらないと、心に固く決めたのです!

ある日貴子は胸に”シコリ”があることに気づき、病院を受診して精密検査を行ったところ、”乳がん”・・・と診断されます!

「ステージⅡのトリプルネガティブです!」

医者からこう言われた貴子は、あまりにショッキングな診断結果に言葉をなくします・・・

絶対になりたくないと思っていた「乳がん」に侵されてしまったのです!

そして、担当医が治療について淡々と説明を始めますが、その内容は貴子の頭にはまったく入りません・・・

貴子はがんの宣告に呆然とし、「ママと・・同じ病気・・」・・・という言葉以外、なんの言葉を発することすら出来なかったのでした。

どうにか帰宅した貴子は、「なんで・・ママみたいになりたくなかったのに~」・・・と、玄関で膝を折って泣き崩れました。

 

 

その日の夜、夫に病名を打ち明けた後、となりの寝室でまだ幼いわが子がスヤスヤと幸せそうに眠っている姿を目にします。

そして、「私、死んでる場合じゃないよね」・・・と、乳がんでこの世を去るわけにはいかないと、子供のために生きることを決意しました。

さっそく、乳がんに侵された乳房の全摘出手術を受けますが、乳房がなくなった母親の死に姿を見ているだけに、貴子は深い悲しみに襲われて涙を流します・・・

抗がん剤の影響で、トイレで激しく嘔吐してしまいますが、体が震えながらも貴子の心は前を向いていました。

それは、一定期間を経過すると抗がん剤の効果が出やすくなることを、ネットの検索で知っていたからです。

再発率が低下すれば、乳がんの脅威に怯えながら過ごす日々ではなくなります。

幼い我が子を悲しい気持ちにさせないためにも、できる限り長く生き続けることを貴子は目標に定めました。

「ぜったい3年は生き延びてみせる!」

・・・そして3年後、貴子は生きていました!

・・・が、リンパへの転移が見つかります・・・

がんは体の他の部位にも転移しており、助かる見込みはほとんどありません。

母親と同じ境遇に立たされた貴子は、入院生活を余儀なくされました。

もう長くは生きられないと死の予感を感じ取った貴子は、決意を秘めて藤美容クリニックを訪れます。

その決意とは、”失ってしまった乳房を元通りに戻すこと”

シリコンバッグを入れれば元通りになることを、貴子はネットで調べ、すぐにでも手術がしたいと、執刀医の権藤弓一朗に依頼します。

しかし弓一郎は、想像以上に体力が削られてしまうことを理由に手術をすすめませんでした。

はたして、諦めきれない貴子に対し、弓一朗が出した答えとは・・・?

 

「Dr.クインチ3巻 case16」を読んだ感想

女性にとって身近な病気「乳がん」にまつわるエピソードでした。

運命とは皮肉なもので、「こうなりたくない!」・・・と思っていることが、なぜか起こってしまう・・・

乳がんになってからの貴子は、”苦しい選択”の連続だったに違いありません!

自分の病状はもちろんですが、貴子にはまだ幼い我が子と夫がいます。

なので、何が正しいのかわからなくて苦悩したであろうことは、想像に難くありませんね。

読んでいて、もう涙が溢れて止まりませんでした・・・

子供のために・・・と、何とか生き延びた貴子は立派だったと思います。

そしてさすがの弓一朗も、今回の判断には迷ったのでしょうね。