「のだめカンタービレ」でおなじみの二ノ宮知子先生が描く、宝石×質屋の物語「七つ屋志のぶの宝石匣」では、毎回様々な宝石が登場します!
主人公の「志のぶ」は現在高校2年生、生まれつき石の「気」を感じる・・・という不思議な能力の持ち主!
さらに志のぶには、生まれつきの婚約者「北上顕定」がいるのでした。
かつて離散した名家「北上家」の跡取りである「顕定」は、一族に代々伝わる「幸運の赤い石」を探している様子・・・
顕定は新たに、「赤い石」を持っているかもしれない・・・ターゲットを見つけたようです!
「七つ屋志のぶの宝石匣3巻 story9」のあらすじ・ネタバレ
ある日、顕定は秋元家の長女「貴子」から、「ジュエリーに関する重大な相談がある」・・・と呼び出されました。
貴子が通う大学の前で待ち合わせをする二人ですが、顕定が車で来ていないことに貴子は「デュガリーの外商さんが”徒歩”!?」・・・と驚きます!
仕方なくバスに乗り込み相談事を聞こうとする顕定ですが、貴子の本当の目的は”バレエ”「眠れる森の美女」の鑑賞でした。
しかしこれは、宝飾デザイナー「レリック」の制作した本物のジュエリーを使った特別公演!
プリマの頭で輝くティアラを、オペラグラスで嬉しそうに見ている貴子の姿を見た顕定は、「このお嬢様はホントに宝石が好きなんだな」・・・と、実感するのでした。
公演が終わりロビーで雑談をしていると、そこで貴子の知り合いの「古河くん」に遭遇!
一人で来ていることに驚きますが、「お母様によろしくね~」・・・と、貴子は顕定を無理やり夕食に誘い、そそくさと会場を後にします。
そして、銀座で見つけたという老舗の”もんじゃ焼き屋”に連れて行きますが、実はこの店、顕定と志のぶの”行きつけ”の店でした!
店に入ると案の定、志のぶの姿が・・・
思わずメニューで隠れる志のぶですが、ここは二人の地元・・・「婚約者きてるよ~」とお店の人に言われてしまい、貴子に志のぶの存在がバレてしまいました!
「外商先のマダムたちに知られたら大変な事になると思うんだけど~」・・・と、貴子に言われた顕定は、思わず「言わないでください!」・・・と言ってしまいます。
一方の志のぶは、この店である人と待ち合わせをしていました。
その相手は、石友(石好き友達)の「古河憲政くん」
まだ小学生の時に、鉱物好きだった志のぶの祖父と仲良くなり、それ以来志のぶとも交流が続いている友達です。
実はバレエ公演の後、貴子が声を掛けていた「古河くん」でした!
そして、古河くんには密かに思いを寄せる人がいました・・・
その相手はなんと「秋元貴子」
古河くんはもんじゃ焼の店に入ろうとした時、顕定と一緒にいる貴子を目撃!・・・お店に入ることが出来なくなったのです!
”宝石好き”の貴子と”鉱物好き”の古河くんですが、貴子には鉱物の良さは分からない様子・・・
後日、貴子に呼び出された顕定は宝石展に出かけますが、そこにはまたもや古河くんの姿が・・・
しかし、なぜか貴子を見るなり逃げ出す古河くん・・・バレエ公演に続きまた会ったことに驚きを隠せない貴子でした。
さらに後日、今度は顕定が貴子をミネラル(鉱物)ショーに誘います。
その会場には志のぶと古河くんの姿が・・・実はわざと貴子と古河くんを会わせようとセッティングしたのでした。
古河くんは「自分と貴子は釣り合わない、イケメンの彼氏も出来たみたいだし」・・・と落ち込み気味・・・
それに対して志のぶが「あれは彼氏じゃなく、ただの宝石店の外商さん」・・・と伝えると、かなり驚いた様子!
一方の顕定は、貴子に鉱物について説明していますが、宝石店には無い希少石もあるという話に食いつきます。
その時「ベニトアイトあります」・・・という看板を見つけて貴子が駆け寄ると、同じように古河くんが現れました!
驚いた貴子は古河くんに「ストーカーなの?」・・・と詰め寄ります!
それに対し「ボクは鉱物が好きなだけ、君に会いに来たわけではない!」・・・と逆ギレ状態の古河くん!
意中の人にキレてしまい、「もう終わった」・・・と落ち込みます。
しかし、その姿に素直に謝る貴子は、趣向が似ていただけなのだと納得し、ベニトアイトについて説明してもらい誤解は解けました。
そしてこの時古河くんが、顕定が外商先として狙っていた「古河商事」の御曹司だと言うことが判明します!
思わぬ流れから望んでいた人脈を掴んだ顕定は、これから古河家にどう接触していくのでしょうか?
「七つ屋志のぶの宝石匣3巻 story9」を読んだ感想
顕定が次に狙っている「古河家」
その御曹司と志のぶが”石友”とは・・・すごい偶然でしたね。
世間は狭いものです!
そして、志のぶと顕定が「婚約者」だということは、行きつけのもんじゃ屋まで周知のことだなんて、下町の繋がりって良い事もあれば知られたくないことまで筒抜け・・・という、良くも悪くも太いですよね!
貴子から、「外商先のマダムたちに知られたら大変なことになる」・・・なんて言われた顕定が思わず、「言わないで」・・・と言ってしまいますが、イケメンなのに残念な部分が出ちゃいましたね。
さらに、志のぶや鷹臣からもいいように言われっぱなしの顕定が、なんだか微笑ましい感じです。
ストーリーはシリアスでも、コメディー要素も感じられる部分が「二ノ宮作品」らしくて、読めば読むほど癖になりますね。